Manjaro LinuxはWindowsやmacOSの代替になるのか
May 27, 2025
linux ArchLinux VirtualBox Manjaro目次
はじめに
2025年10月にWindows10のサポートが終了しWindows11への移行が必要になりますが、Windows11をインストールできるPCの要件が厳しく、Windows11へ移行できないPC難民が大量に発生すると危惧されています。
Windows11要件を満たさないPCでも使える代替のデスクトップOS(LinuxやChrome OSなど)はいくつか存在しますが、本記事ではそのうちの1つManjaro Linux(記事中では単にManjaroと呼びます)を取り上げます。Manjaroを実際にインストールしてみて、ManjaroがWindows11の代替となりうるかを検証していきたいと思います。
これとは別の話ですが、macのCPUがIntel製からApple Siliconに置き換わり数年が経ちました。2025年時点ではIntel製CPU搭載macでも最新のmacOS Sequoiaは動作していますが、動作は緩慢でかなり限界に近いと感じています。遅くなったIntel製CPU搭載macの代替としてもManjaroが使えないのかをあわせて検証していきたいと思います。
以下の観点からManjaroがWindows11やmacOSの代替となりうるかを検証していきます。
- Linuxのコマンドを知らなくてもなんとかなるか?
- Webブラウザ、メールアプリなど普段使っているアプリが使えるか?
- Office書類が見れる/作れるか?
- プリンターが使えるか?
- macやWindowsの外付けディスクに読み書きできるか?
- iCloud Drive, OneDrive, Google Driveにアクセスできるか?
- iCloudアプリが使えるか?
- macOSやWindowsにリモートログインできるか?
- 仮想マシンでWindows11が動くか?
- 仮想マシンでmacOSが動くか?
最初にVirtualboxにManjaroをインストールしてみてどんな感じなのかの感触を掴み、その後実機にインストールすることにします。
実機は第8世代のIntel NUC 8i7BEHで、24H2のWindows11でもとりあえず動作しますが、23H2くらいからは目に見えて遅くなってきたという感じです。買ったばかりの頃は爆速だったんだけど…
Manjaroインストーラーの入手
https://manjaro.org/
Manjaro Linux Empowering People and Organizations
https://manjaro.org/products/download/x86
Products>Download>x86 Official Images
ここからKDE Plasma版インストーラーISOファイル manjaro-kde-vv.v.v-yymmdd-linuxvvv.iso をダウンロードします。
Manjaroは自由度が高く、デスクトップはKDE Plasma以外にもGNOMEやXfecやCinnamonなども選択できますが、本記事ではKDE Plasma版を選択することにします。KDE Plasma版がWindows11に操作感が近く馴染みやすいので。KDE Plasmaが最も動作が緩慢なんですが、それでもWindows11よりはキビキビと動くように感じます。
Virtualbox仮想マシンの設定
Windows11上のVirtualbox v7.1.4を使用しました。
仮想マシンの設定は以下のとおりです。
システム>メインメモリー:8192MBとしましたが4096MB程度でも大丈夫でしょう。
Virtualbox仮想マシンにManjaroをインストール
インストーラーISOファイルから仮想マシンを起動し、
tz=Asia/Tokyo
keytable=jp
lang=ja_JP
に変更し、「Boot with open source drivers」を選択し、ENTER
Live Linuxが立ち上がります。Manjaro Hellowの「インストーラーを起動」をクリック。
Manjaro Linux インストーラーのウィザードに従って質問に答えていきます。
「日本語」を選択し、「>次へ(N)」をクリック。
地域:「Asia」、ゾーン:「Tokyo」を選択し、「>次へ(N)」をクリック。
キーボードを「Japanese」、「デフォルト」を選択し、「>次へ(N)」をクリック。
「ディスクの消去」、「スワップ(ハイバネート)」、「ext4」を選択し、「>次へ(N)」をクリック。
お好みのOffice Suiteを選択し、「>次へ(N)」をクリック。
これまでの設定のサマリーを確認します。
「インストール(I)」をクリック。
ファイルのコピーが始まります。
暫く待つとインストール完了。
Manjaroの起動
ISOファイルを外して再起動すると、ログインパスワードを入力後、デスクトップが開きます。
Manjaroのインストール先がVirtualboxの仮想マシンの場合、他のLinuxディストリビューションであれば最初にGuest Additionsのインストールをする必要がありそうなんですが、Manjaroではどうもこの時点でGuest Additionsがインストール済みのような気がします。そこで、Guest Additionsのインストールはスルーして。
最初にシステム更新します。
スタートメニュー>システム>ソフトウェアの追加と削除
アップデートタブを開いて、「すべて」のサードバーを選択し「適用(A)」ボタンをクリック
大量の更新があり時間がかかることもあります。Windowsをインストールして最初のWindows Updateのようなものと思って気長に待っていてください。
この操作は、Konsoleを開いて、次のコマンド
> sudo pacman -Syu
を実行することと同じはずですが、本記事では「ManjaroがLinuxを知らないユーザにとってWindows11やmacOSの代替になるか」の観点で試用をしていますので、極力Linuxコマンドは使用せずにGUIの操作で進めていきます。
タスクバーの赤い盾のアイコンをクリックすると「n個のアップデートがあります」がポップアップし、システム更新の必要性がわかりますから、更新が必要になったら直ぐに対処しましょう。それがローリングリリースのManjaro(Arch Linux)の流儀です。
更新が終わったら、いよいよManjaroをWindowsやmacOSの代わりにメインデスクトップとして使っていきたいと思いますが、Manjaroをインストールしただけではまだまだまだ使えません。しばらく本記事におつきあいください。
日本語入力
Manjaroはインストール時に「lang=ja_JP」を設定しておけば、表示自体は日本語になっているのですが、インストール直後に日本語入力が可能なわけではありません。このへんがManjaroの不親切なところであり、これが原因で「Manjaroをインストールしてみただけで終わり」でメインマシンとして使われない原因の1つかもしれません。
Manjaroでの日本語入力には複数の選択肢がありますが、そのうちの1つFcitx-Mozcをインストールします。
スタートメニュー>システム>ソフトウェアの追加と削除
左上の虫眼鏡アイコンをクリックし、「Fcitx」を検索。
「Fcitx(fcitx)」、「fcitx-mozc」、「fcitx-qt5」、「fcitx-qt6」、「manjaro-asian-input support-fcitx」、「キーボードレイアウトビューアー(kcm-fcitx)」の「↓」ボタンをクリック(ボタンが「レ」に変わる)後、「適用(A)」ボタンをクリックし、Fcitx-Mozc一式をインストールします。
インストール途中、オプション依存の選択を求められます。よくわからないので以下を選択しました。
manjaro-asian-input support-fcitxのオプション依存を選択
「fcitx-m17n: other languages provided by M17n(http://www.nong…)」を選択
fcitxオプション依存を選択
「fcitx-configtool: for condiguration(GTK based)」を選択
「適用(A)」ボタンをクリックでインストールが進みます。
ちなみに、この操作はコマンド
$ sudo pacman -S fcitx-im fcitx-mozc fcitx-qt5 fcitx-qt6 manjaro-asian-input support-fcitx kcm-fcitx
と同じはずです。筆者は偉そうにManjaroの記事書いてますが、実はFcitx-Mozcによる日本語入力に本当に必要なパッケージは何なのかは分かっていません。ここに書いたパッケージを入れたら動いたということではありますが、本当にここに書いたパッケージが必要にして十分なのか、たまたま依存関係で入ったパッケージが必要だっただけなのかはよく分かっておりません。
インストールを終えたら、
スタートメニュー>システム>Fcitx
により、入力メソッドFcitxを開始します。次に、
スタートメニュー>システム>Fcitx設定
により、「入力メソッド」タブの日本語の入力メソッドが「Mozc」になっていることを確認します。
「全体の設定」タブの「入力メソッドのオンオフ」が「Ctrl+Space」になっていることを確認します。これは、「Ctrl+Space」で日本語入力に切り替わることを意味します。Windowsのように「半角/全角」キーで日本語入力に切り替えたい場合は「Ctrl+Space」ボタンをクリックし、続けて「半角/全角」キーを押します。
以上でManjaroで日本語入力メソッドFcitx-Mozcが利用可能になりました。
ソフトウェアの追加と削除
Manjaroのインストールとセットアップを終えたら、普段使うアプリをインストールしていきましょう。
コマンドラインからインストールするなら、
$ sudo pacman -Syu <アプリケーション名>
ということですが、本記事では「ManjaroがLinuxを知らないユーザにとってWindows11やmacOSの代替になるか」の観点で試用をしていますので、なるべくLinuxコマンドは使用せずにGUIの操作で進めていきます。
ManjaroでGUIの操作でアプリケーション(公式パッケージ)をインストールするには、
Manjaro起動時に立ち上がっている「Manjaroへようこそ」アプリで、
Manjaroへようこそ>Applications
「Applications」ボタンをクリックし、表示されたアプリケーション一覧から必要なものをチェックしてインストール。
スタートメニュー>システム>ソフトウェアの追加と削除
「ソフトウェアの追加と削除」アプリでアプリケーションを探してインストール。
のいずれかの方法でいけます。「ソフトウェアの追加と削除」はmacOSにおけるAppStoreやWindowsにおけるMicrosoft Storeのようなものですが、その実体はManjaroの高機能なパッケージマネージャpamacのGUI版アプリです。
AURリポジトリ対応
「ソフトウェアの追加と削除」では、初期状態では公式リポジトリのパッケージしかインストールできませんが、AURパッケージやFlatpakパッケージもインストールできる機能を有しています。この機能を有効にするには、
ハンバーガーメニュー>設定>サードパーティータブ
「AURサポートを有効にする」をオンにします。
設定したら「ソフトウェアの追加と削除」アプリを再起動。これで公式リポジトリにはないGoogle-chromeなどのサードパーティアプリも「ソフトウェアの追加と削除」からインストールできるようになりました。
Snapリポジトリ対応
後にiCloudアプリを入れる際にSnapリポジトリからインストールすることになるので、「ソフトウェアの追加と削除」をsnap対応にしておきます。「ソフトウェアの追加と削除」をsnap対応にするには、pamacのsnapプラグインを入れる必要があります。
スタートメニュー>システム>ソフトウェアの追加と削除
左上の虫眼鏡アイコンをクリックし、「libpamac-snap-plugin」を検索してインストール。
「ソフトウェアの追加と削除」を一旦終了し、「ソフトウェアの追加と削除」を再起動。
ハンバーガーメニュー>設定>サードパーティータブ
「Snapサポートを有効にする」をオンにします。
再度「ソフトウェアの追加と削除」を再起動。ただし、これだけではsnapが有効になりません。ここからが本記事で唯一コマンドラインからの操作が必要になります。
スタートメニュー>システム>Konsole
Konsoleを開いて以下を入力。
> sudo systemctl start snapd.socket
起動後、毎回やるのがめんどうなので
> sudo systemctl enable snapd.socket
以上でsnapリポジトリからのパッケージ取得準備が整いました。その前に念の為Manjaroを再起動しましょう。
Webブラウザ
ManjaroにはFirefoxが最初からインストールされており、公式リポジトリにはChromiumもあるのですが、Manjaroを普段遣いするにはGoogle ChromeやMicrosoft Edgeが必須ではないでしょうか。
前節で「ソフトウェアの追加と削除」からAURパッケージをインストールできるようにできたので、「ソフトウェアの追加と削除」でGoogle ChromeとMicrosoft Edgeをインストールします。
スタートメニュー>システム>ソフトウェアの追加と削除
左上の虫眼鏡アイコンをクリックし、「google-chrome」を検索。
「google-chrome」をチェックして、「適用(A)」をクリック。
インストールが完了したら、
スタートメニュー>インターネット>Google Chrome
でChromeブラウザが立ち上がります。Chromiumではなく、純正Chromeです。筆者の場合、Chromeがあればそれで普段使いのデスクトップでOKというかんじです。
次に、Microsoft Edgeをインストール。左上の虫眼鏡アイコンをクリックし、「microsoft-edge」を検索。
「microsoft-edge-stable-bin」をチェックして、「適用(A)」をクリック。ビルドはけっこうな時間がかかります。
インストールが完了したら、
スタートメニュー>インターネット>Microsoft Edge
でEdgeブラウザが立ち上がります。おなじみのMSNニュースが見れます。
アプリケーションのインストール
普段使っているアプリを「ソフトウェアの追加と削除」からガンガン入れましょう。そして使用感を確認しましょう。
例えば、メールとスケジュールアプリなら、
「ソフトウェアの追加と削除」から「thunderbird」を入れました。
以上でVirtualbox仮想環境での試用は一旦終了。VirtualboxにManjaroを入れた知見を元に、次節ではManjaroを実機に入れていきます。
IntelNUC 8i7BEHにManjaroをインストール
まずはインストーラーISOファイルをUSBメモリーに焼いてUSBインストーラーを作成します。
8GB程度のUSBメモリーをPCに挿し、Rufusを起動します。「ブートの種類」の左側にある「選択」ボタンをクリックし、インストーラーISOファイル「manjaro-kde-vv.v.v-yymmdd-linuxvvv.iso」を選択します。あとは、「スタート」ボタンクリックでUSBインストーラーの出来上がり。
USBインストーラーが出来たら、BIOSの設定を変更しUSBインストーラーから起動。あとは、Virtualboxの仮想マシンで予行演習した通り、Manjaroのインストールとその後のセットアップを進めます。
次節以降は実機にManjaroのセットアップを終えた以降、普段使いのデスクトップOSにすることを目指し、あると便利な機能を入れていきます。
Manjaro上にVritualbox仮想環境
どうしてもWindowsやmacOSでなければダメ!という局面(そんなには無いとは思いますが…)では、Virtualboxが威力を発揮します。これも公式リポジトリから入手可能です。
Windows11に移行できないPCで、Windows10のサポート切れでManjaroに移行する場合は、VirtualboxにWindows11の仮想マシンを立てるとそのままWindows11が使えますよ。ホストをManjaroにすると、Windows10のライセンスが1個余ることになるので、これをWindows11仮想マシンのライセンスに流用すれば一石二鳥。筆者の場合、使わなくなったIntel mac上のParallelsイメージを持ってきました。やり方はリンク先を参照。。
VirtualboxではふつうにWindowsの仮想マシンもmacの仮想マシンも動きます。macの場合、Virtualboxの仮想マシンで動作するのはmacOS 12 Montereyまでですね。やり方はリンク先を参照。
リモートデスクトップ
どうしてもManjaroからWindowsやmacOSの実機にアクセスしたい場合は、リモートデスクトップアプリで既存のWindows PCやmacの画面をManjaroのデスクトップに表示して、Windowsやmacを直接操作することも可能です。
リモートデスクトップは、vinagreを使用します。
スタートメニュー>システム>ソフトウェアの追加と削除
左上の虫眼鏡アイコンをクリックし、「vinagre」を検索。
「リモートデスクトップビューアー(vinagre)」をチェックして、「適用(A)」をクリック。
インストールが完了したら、
スタートメニュー>インターネット>リモートデスクトップビューアー
「リモートデスクトップビューアー」アプリを開き、「接続」をクリック
Windows PCに接続する場合は、
接続先のリモートデスクトップの選択>プロトコル(P):RDP
接続先のリモートデスクトップの選択>ホスト名(H):Windows PCのipアドレス
RDPのオプション>ユーザ名(U):Microsoftアカウント名
を指定して「接続(O)」をクリックで繋がります。
接続先PCのリモートデスクトップを許可しておく必要があります。Windows11の場合は以下。
設定>システム>リモートデスクトップ>リモートデスクトップ:オン
macOSに接続する場合は、
接続先のリモートデスクトップの選択>プロトコル(P):VCN
接続先のリモートデスクトップの選択>ホスト名(H):macのipアドレス
接続先macのリモートデスクトップを許可しておく必要があります。Sequoiaの場合は以下。
設定>一般>共有>画面共有:オン 設定>一般>共有>リモートログイン:オン
iCloud
AppleのクラウドサービスiCloud。macOSの代替でManjaroを使ってみようという場合、iCloudの稼働は必須ではないでしょうか。Linuxで稼働する、なんちゃってiCloudを入れてみます。
iCloudはsnapリポジトリにありました。
「ソフトウェアの追加と削除」を開き、「icloud-for-linux」を検索します。
Snapリポジトリの「iCloud」とAURリポジトリの「icloud-for-linux-git」の2つの候補が表示されます。
ここからは2025年5月時点での筆者の体験談なのですが、AURから入れた「icloud-for-linux-git」はブラウザにiCloudページが表示されない致命的な不具合があり、うまく使えませんでした。Snapから入れた「iCloud」は動きました。
Snapリポジトリの「iCloud」をインストールし、
スタートメニュー>すべてのアプリケーション>I
iCloudのメニューが並んでいます。macOSのように個別アプリが立ち上がる訳ではなくWeb版のiCloudがそれらしく立ち上がるだけですが…
Apple IDを入れると普通に使えます。これはiCloudをハッキングしているのではなく、Web版のiCloudをふつうに動かしているだけなんで問題はないはず。
外付けディスクドライブへのアクセス
Manjaroにはntfs-3gパッケージがインストール済みなので、Windowsで使用していたNTFSフォーマットの外付けハードディスクや外付けSSDは、USB接続するだけでマウントされてふつうに読み書き可能です。
ただし、Exprolerに相当するManjaroのファイルマネージャDolphinでDrag and Drpoでファイルのコピーを行うと、死ぬほど遅いです。ファイルのコピーを行うときは、cpコマンドを覚えてコマンドラインからやったほうが幸せでしょう。
macOSで使用していたAPFSフォーマットの外付けハードディスクや外付けSSDは、apfs-fuseをインストールすることにより、読めるようになります。
スタートメニュー>システム>ソフトウェアの追加と削除
左上の虫眼鏡アイコンをクリックし、「apfs-fuse-git」を検索してインストールします。「apfs-fuse-git」はAURリポジトリです。
ManjaroのGUIで出来たのはここまでです。NTFSのディスクのように、USB挿したらディスクが認識されてマウントされた、というふうにはなりませんでした。
手動でコンソールを開き、まずストレージデバイス名を確認
$ sudo fdisk -l
デバイス 開始位置 終了位置 セクタ サイズ タイプ
/dev/sda1 4096 618495 614400 300M EFI システム
/dev/sda2 618496 1953525101 1952906606 931.2G Linux ファイルシステム
デバイス 開始位置 終了位置 セクタ サイズ タイプ
/dev/sdb1 40 409639 409600 200M EFI システム
/dev/sdb2 409640 1953525127 1953115488 931.3G Apple APFS
sdaがManjaroの起動ディスクでsdbがUSB接続の外付けAPFSディスクでした。
まずマウントポイントを作成し、
$ sudo mkdir -p /mnt/apfs-disk
apfs-fuseでマウントします。
$ sudo apfs-fuse -o allow_other /dev/sdb2 /mnt/apfs-disk
自分のuid, gidがわかっていたら、以下のようにすれば自分のファイルとしてアクセスできます。
$ sudo apfs-fuse -o uid=1000,gid=1000,allow_other /dev/sdb2 /mnt/apfs-disk
使い終わったら手動アンマウント
$ sudo umount /dev/sdb2
apfs-fuseはリードオンリーでした。まぁ使えないことはないけど、ManjaroでAPFSディスクのアクセスは見送りかな…
プリンター
Manjaroを普段使いのデスクトップOSとして使用する場合、プリンターの接続は不可欠です。筆者はEPSON EW-052aという安価なプリンターを使用していますが、EPSONのサイトでLinuxのドライバーを調べると、epson-inkjet-printer-escprでいけるということが判りました。そこで、
スタートメニュー>システム>ソフトウェアの追加と削除
左上の虫眼鏡アイコンをクリックし、「epson-inkjet-printer-escpr」を検索してインストールします。「apfs-fuse-git」はAURリポジトリです。
プリンターの電源をオンにして、
スタートメニュー>システム>印刷設定
「Add」ボタンをクリックしてプリンターを追加
Wifi接続のプリンターでManjaroも同じWifiに繋がっていたら、何もしなくてもプリンターが見えているので、「Forward」ボタンをクリック。
プリンターの名前とかを設定し、、「Apply」ボタンをクリック。
プリンターが追加されました。EPSONのプリンターは楽勝だな。
おわりに
ManjaroをWindows11やmacOSなどの普段使いのデスクトップOSとして使用できるかを試してみました。結論は全然OK問題なしです。どうしてもWindows11やmacOSでなければならない緊急事態でも、Virtualboxなどの仮想環境やリモートデスクトップでなんとかなります。筆者もしばらくManjaroデスクトップを使い続けてみたいと思います。
2025年中にWindows10のサポート終了となり、Windows11要件を満たさないPCがアップグレードも出来ず大量廃棄かというニュースも聞こえてきます。まだ使えるWindows10 PCの後継に頭を悩ませているなら、そのPCにManjaroをインストールして第2の人生を歩ませるという選択肢はアリだともいます。
しかし使っているうちに釈然としない現象にも遭遇します。例えば、
- ある日突然デスクトップ壁紙やデスクトップの設定がリセットされるとか
- パッケージ取得のミラーリストがリセットされるとか
Manjaroはローリングリリースなため、日々システムが更新されていくので、更新のタイミングで何かが初期化されるのかな?と想像しているのですが…その都度設定し直しはさすがにうざい。完全にデフォルト設定のまま使えばいいのかもしれないけど。
まぁ、些細なことなんで、気にせず使っていこうかな。