VMware Player 17にmacOS 13 Ventura をインストールする

November 05, 2022

emulatormacOSVMware

目次

はじめに

VMware Player 17にmacOS 13 Venturaをインストールしてみます。Venturaは2022年10月リリースのmacOSです。

筆者はVirtualboxを愛用しているのですが、なぜかVirtualboxではVenturaのインストールはうまくいかないので、今回はVMware Player 17でやってみました。

ネットで調べてみると、Virtualbox上でのVenturaのインストールに成功した事例が数多く存在します。なので、Virtualboxでも出来ないはずはないとは思うのですが…

VMware Player 17のインストール

以下のサイトからVMware Player 17のインストーラーをダウンロードします。

https://www.vmware.com/jp/products/workstation-player/workstation-player-evaluation.html
VMware Workstation Playerのダウンロード

「Workstation 17 Player for Windows の試用」と書かれた囲みの「今すぐダウンロード」をクリックします。

download_vmplayer.png

ここで「試用」と書かれてはいますが、非商用目的の使用であれば、そのまま使い続けていいようです。

ダウンロードしたら、インストーラーの指示に従ってインストール。筆者の場合、拡張キーボードドライバのインストールにチェックを入れました。

install_vmware.png

ここまでは簡単なのですが、インストールしたVMware Playerでは、ゲストOSとしてWindowsとLinuxしか選べません。

vmware_1.png

macOSのエミュレーションをするためには、インストールしたVMware Playerにパッチを当てる必要があります。この点が釈然とせずダークなイメージがつきまとうので、これまでVMware Playerとは距離をおいていましたが…

VMware Playerのパッチは、「Unlocker」と呼ばれています。ロックされていたmacOSのインストールをアンロックするという意味なんでしょう。そもそもなんでVMware PlayerにmacOSのエミュレーション機能が実装されているにも関わらずロックされているのか?疑問です。
Unlockerは公式のものではなく、野良で開発されたものなので危険なものもあるかもしれません。

筆者が使用したものは、以下のサイト

https://github.com/DrDonk/unlocker/releases
DrDonk/unlocker

ここにあったunlocker426.zipを使用しました。

unlocker426.zipを伸張し、

windows/unlock.exeを管理者として実行。途中enterキーを押下する必要がありますが、一瞬で終わります。

パッチを当てたあとでは、ゲストOSとしてApple Mac OS Xが選べるようになります。

vmware_2.png

以上で、VMware Playerの準備が整いました。

macOS 13 Venturaインストーラーの入手

まずはmacOS上で操作。

AppStoreを開き「Ventura」を検索する。

download_ventura_1.png

「入手」をクリックすると、ソフトウェア・アップデート経由でmacOS Venturaのダウンロードがはじまる。

download_ventura_2.png

ダウンロードが完了するとVenturaインストーラが起動する。

download_ventura_3.png

macOS Venturaのインストールはせずに、インストーラーを終了する。

アプリケーションフォルダーに「macOS Venturaインストール.app」が生成されていることを確認する。

インストールメディアイメージの作成

インストーラーから起動可能なISOディスクイメージを作成する手順を示します。以下は現役macで実行できます。

まずは、アプリケーションフォルダーに「macOS Venturaインストール.app」が生成されていることを確認してください。

以降は全てmacOSのターミナル上での操作。

(1) 14GBの空イメージを作成する。

$ hdiutil create -o ventura  -size 14G -layout SPUD -fs HFS+J -type SPARSE
created: /Users/username/ventura.sparseimage

(2) 空イメージをマウントする。

$ hdiutil attach ventura.sparseimage -noverify -mountpoint /Volumes/Ventura
/dev/disk2          	Apple_partition_scheme         	
/dev/disk2s1        	Apple_partition_map            	
/dev/disk2s2        	Apple_HFS                      	/Volumes/Ventura

(3) 空イメージに、起動可能なインストールメディアを作成する。

$  sudo /Applications/Install\ macOS\ Ventura.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/Ventura
Password:
Ready to start.
To continue we need to erase the volume at /Volumes/Ventura.
If you wish to continue type (Y) then press return: Y
Erasing disk: 0%... 10%... 20%... 30%... 100%
Making disk bootable...
Copying to disk: 0%... 10%... 20%... 30%... 40%... 50%... 60%... 70%... 80%... 90%... 100%
Install media now available at "/Volumes/Install macOS Ventura"

(4) ボリュームをアンマウントする。

$ hdiutil detach "/Volumes/Install macOS Ventura"
"disk2" ejected.

このコマンドで失敗した場合は、ボリュームを強制的にゴミ箱へドラッグ!

(5) isoイメージに変換する。

$ hdiutil convert ventura.sparseimage -format UDTO -o ventura
Driver Descriptor Map(DDM: 0)を読み込み中…
Apple(Apple_partition_map: 1)を読み込み中…
(Apple_Free: 2)を読み込み中…
disk image(Apple_HFS: 3)を読み込み中…
.............................................................................................................................................................
経過時間: 17.228s
速度: 832.1Mバイト/秒
節約率: 0.0%
created: /Users/username/ventura.cdr

(6) 後始末

$ mv ventura.cdr InstallVentura.iso
$ rm ventura.sparseimage

以上で起動可能なインストールメディアイメージ「Installventura.iso」が完成。

VMware PlayerにVentura仮想マシンを作成

VMware Playerを起動し、「新規仮想マシンの作成(N)」をクリック。

vm_ventura_setting_01.png

仮想マシンの設定は以下のスクリーンショットを参考に。(筆者にて動作実績がある設定)

インストーラーディスクイメージファイルは、前節で作成した「Installventura.iso」を指定。

vm_ventura_setting_02.png

ゲストOSの選択

ゲストOSは「Apple Mac OS X」、バージョンは「macOS 13」を選択。

vm_ventura_setting_03.png

仮想マシンの名前と場所を指定

vm_ventura_setting_04.png

仮想ディスクのサイズを指定

vm_ventura_setting_05.png

以上で設定完了。お好みで「ハードウェアをカスタマイズ(C)…」を設定。

vm_ventura_setting_06.png

Ventura仮想マシンが出来上がった。

vm_ventura_setting_07.png

「仮想マシンの再生(L)」でVentura vmを起動すると、Venturaのインストールが進みます。

macOS Ventura のインストール

(1) 「仮想マシンの再生(L)」でVentura vmを起動すると、Appleロゴの後、言語選択画面が出るので、「日本語」を選択。

install_ventura_02.png

(2) メニュー画面に切り替わる。まずはディスクユーティリティを選択。

install_ventura_03.png

(3) 「VMware Virtual SATA Hard Drive Media」がインストール先のディスク。名前を「Macintosh HD」にし、「消去」ボタンをクリックし、ディスクを初期化する。

install_ventura_04.png

(4) ディスクユーティリティを終了する。

(5) メニューに戻り、「macOSインストール」を選択する。

install_ventura_05.png

(6) 「続ける」をクリックすると、macOS Venturaのインストールを開始する。

install_ventura_06.png

(7) インストール先のディスクを選択する。先に初期化した「Macintosh HD」ボリュームを選択する。

install_ventura_07.png

(8) ディスクへのインストールが始まる。

install_ventura_08.png

(9) vmが勝手に再起動し、インストールが継続。

install_ventura_09.png

(10) インストール完了し、勝手にvmが再起動し、Venturaの初期設定に遷移する。

install_ventura_10.png

(11) ウィザード形式でもろもろの設定を行います。なんとApple IDの設定も出来ちゃいます。

install_ventura_11.png

(12) すべての設定を終えて、Venturaのデスクトップとご対面。

install_ventura_12.png

筆者の環境ではVMware上のVenturaは遅すぎることもなく普通に使えます。ちなみにCPUは第8世代のCorei7。 デフォルトのままでネットワークも使えました。

VMware Toolsのインストール

最初にインストーラーInstall macOS Ventura ISOイメージがマウントされていたらアンマウント(インストーラーDVDアイコンをゴミ箱にドラッグ)します。

Player(P)>管理(M)>VMware Toolsのインストール(T) メニューからVMware Toolsをインストール

vmware_tools_1.png

インストーラーイメージがマウントされるので、「VMware Toolsのインストール」を起動。

vmware_tools_2.png

インストール途中でセキュリティ許可を求められるので、「許可」をクリック

vmware_tools_3.png

VMware Toolsをインストールすると、自在にウインドウサイズを変更できるようになります。

キーボードがおかしい?

VMware PlayerにVenturaをインストールしてみて使ってみると…

キー入力の際、「“」を入れたつもりが「@」になってしまうとか、意図した記号キーが入力できないということはありませんか。

もしそうであれば、Venturaが正しいキーボード種類を認識していないということです。

このような場合、

アップルメニュー > システム設定 > キーボード

「キーボードの種類を変更」ボタンをクリックし、「キーボード設定アシスタント」を起動し、キーボードの種類をANSIキーボードからJISキーボードに変更すれば直るのですが、VMware PlayerにインストールしたVenturaには「キーボードの種類を変更」ボタンが無い!おそらくはVMware PlayerがANSIキーボードをエミュレートしていて決め打ちになっているのだと思いますが…

「キーボード設定アシスタント」は、Finderから

システム>ライブラリ>CoreServices

を開き、KeyboardSetupAssistantを起動すると立ち上がるはずなのですが、VMware PlayerにインストールしたVenturaではこれもうまくいかない!

ここで詰んでしまったのですが、キーマッピングを変更するアプリKarabiner-Elementsをインストールすると、なぜかKeyboardSetupAssistantが起動するようになりました。

https://karabiner-elements.pqrs.org/
Karabiner-Elements

KeyboardSetupAssistantでキーボードの種類をANSIキーボードからJISキーボードに変更すればOKです。

まとめ

macOS Ventura のインストールISOイメージを作成し、VMware Player 17上にVenturaをインストールする方法を紹介しました。


Written by questions6768 who lives in Uji, Kyoto.