Parallelsに古いmacOSをインストールする

May 11, 2020

emulatormacOSParallels

目次

はじめに

Parallelsは、ホストOSの回復パーティションを使用して、容易にmacOSのvmを構築することができます。しかし、この方法により作ることができるゲストOSのバージョンは、ホストOSと同じものだけです。

例えば、Mojaveが稼働するmacを、勢いでCatalinaにアップデートはしたものの、Mojaveで動いていた32bitアプリが動かなくなり困ったというようなとき、Mojaveのvmを作って、そこでお気に入りの32bitアプリを動かす、といったことはできません。Catalinaの回復パーティションから作成されるvmはCatalinaであり、Mojaveではないから。

本稿では、Parallelsで回復パーティションを使用せずに、古いmacOS(High Sierra, Mojave、Catalina)のvmを作成する手順をまとめています。回復パーティションからのインストール方法は、ネットにたくさん転がっているのですが、インストールメディアを使う方法が見つかりにくいので、備忘録として。

作業の流れは以下のようになります。

  • 古いmacOS(High Sierra, Mojave、Catalina)のインストーラをダウンロードする
  • ダウンロードしたmacOSインストーラを含む、起動可能なディスクイメージを作成する。
  • そのディスクイメージを使用して、vmにmacOSをインストール

macOSインストーラの入手

以下のページからYosemite, EI Caopitan, Sierra, High Sierra, Mojave、Catalinaのインストーラーを入手できます。

https://support.apple.com/ja-jp/HT211683
以前のバージョンの macOS を入手する

download_mojave1.png

このページをmacOS上のSafariで開き、リンクをクリックすると、Yosemite, EI Caopitan, SierraのインストーラーはSafariから直接ダウンロードできます。High Sierra, Mojave、Catalinaのインストーラーは、リンクをクリックすると、AppStoreアプリ経由でダウンロードできます。ChromeなどSafari以外のブラウザからはうまくダウンロードできません。macからしかダメということね。

download_mojave2.png

High Sierra, Mojave、Catalinaをダウンロードした場合は、アプリケーションフォルダーに、インストーラーが

macOS High Sierra インストール,app
macOS Mojave インストール,app
macOS Catalina インストール,app

等の名前で生成されます。

mojave_installer.png

インストールメディアイメージの作成

Parallelsのvm作成で使用するには、usbメモリ等の物理的なインストールメディアよりも、ディスクイメージを使うのがお手軽。そこで、インストーラの起動可能なディスクイメージを作成することにします。

Mojaveを例に、インストーラーから起動可能なISOディスクイメージを作成する手順を示します。以下は現役macで実行できます。

まずは、アプリケーションフォルダーに「macOS Mojaveインストール.app」が生成されていることを確認してください。

以降は全てmacOSのターミナル上での操作。

(1) 8GBの空イメージを作成する。(Catalinaの場合は13GB)

$ hdiutil create -o mojave -size 8G -layout SPUD -fs HFS+J -type SPARSE
created: /Users/username/mojave.sparseimage

(2) 空イメージをマウントする。

$ hdiutil attach mojave.sparseimage -noverify -mountpoint /Volumes/Mojave
/dev/disk2          	Apple_partition_scheme         	
/dev/disk2s1        	Apple_partition_map            	
/dev/disk2s2        	Apple_HFS                      	/Volumes/Mojave

(3) 空イメージに、起動可能なインストールメディアを作成する。

$ sudo /Applications/Install\ macOS\ Mojave.app/Contents/Resources/createinstallmedia  --volume /Volumes/Mojave
Password:
Ready to start.
To continue we need to erase the volume at /Volumes/Mojave.
If you wish to continue type (Y) then press return: Y
Erasing disk: 0%... 10%... 20%... 30%... 100%
Copying to disk: 0%... 10%... 20%... 30%... 40%... 100%
Making disk bootable...
Copying boot files...
Install media now available at "/Volumes/Install macOS Mojave"

(4) ボリュームをアンマウントする。

$ hdiutil detach /Volumes/Install\ macOS\ Mojave
"disk2" ejected.

このコマンドで失敗した場合は、ボリュームを強制的にゴミ箱へドラッグ!

(5) isoイメージに変換する。

$ hdiutil convert mojave.sparseimage -format UDTO -o mojave
Driver Descriptor Map(DDM: 0)を読み込み中…
Apple(Apple_partition_map: 1)を読み込み中…
(Apple_Free: 2)を読み込み中…
disk image(Apple_HFS: 3)を読み込み中…
.............................................................................................................................................................
経過時間: 47.434s
速度: 172.7Mバイト/秒
節約率: 0.0%
created: /Users/username/mojave.cdr

(6) 後始末

$ mv mojave.cdr InstallMojave.iso
$ rm mojave.sparseimage

以上で起動可能なインストールメディアイメージ「InstallMojave.iso」が完成。

ParallelsにmacOSをインストール

(1) Parallelsを起動

(2) ファイル>新規…>インストールアシスタント>新規作成
「DVD/イメージファイルからWindows/その他OSをインストール」を選択
「続行」ボタンクリック

vm_parallels_1.png

(3) インストールアシスタント2ページ目」
「手動で選択する」ボタンクリック
「ソースなしで続行する」をチェック
「続行」ボタンクリック

vm_parallels_2.png

(4) オペレーティングシステムを選択
macOSを選択し、「OK」ボタンクリック

vm_parallels_3.png

(5) 名前と場所
vmイメージの名前と場所を指定する。
「インストール前に構成をカスタマイズする」をチェック
「作成」ボタンクリック

vm_parallels_4.png

(6) CPUおよびメモリ

メモリは可能なら4GB以上を割り当てるのが望ましい。

vm_parallels_5.png

(7) グラフィック

メモリは128MBにする。

vm_parallels_6.png

(8) ネットワーク

デフォルトのままでよい

vm_parallels_7.png

(9) ハードディスク

vm_parallels_8.png

(10) CD/DVD

ハードウェア>CD/DVD>ソース>イメージファイルの選択
ここで、起動可能なインストーラディスクイメージ(先の例ではInstallMojave.iso)を指定する。

vm_parallels_9.png

(11) ブート順序

ハードウェア>ブート順序>詳細設定
インストーラディスクイメージから起動するように設定

vm_parallels_10.png

構成ダイアログボックスを閉じて、「続行」ボタンクリック

vm_parallels_11.png

これでvmが起動し、macOSのインストールが始まる。

macOX Mojaveのインストール

再びvmを起動すると、

vm_parallels_12.png

言語選択画面が出るので、「日本語」を選択。

vm_parallels_13.png

「macOSインストール」を選択する。

vm_parallels_14.png

「続ける」をクリックするとmacOS Mojaveのインストールを開始する。

vm_parallels_15.png

インストール先のディスクを選択する。「Macintosh HD」ボリュームを選択する。

vm_parallels_16.png

ディスクへのインストールが始まる。

vm_parallels_17.png

vmが勝手に再起動するので、一旦vmを停止し、CD/DVDのマインとを解除し、ハードディスクから起動するように変更する。

vm_parallels_18.png

vmを起動すると、インストールを継続。

vm_parallels_19.png

勝手に再起動し、最後の設定画面に。

vm_parallels_20.png

ウィザード形式でもろもろの設定を行います。Apple IDも設定できます。

vm_parallels_21.png

すべての設定を終えて

vm_parallels_22.png

Mojaveのデスクトップとご対面。

vm_parallels_23.png

普通に使える。

vm_parallels_24.png

さらに便利に使うなら、Parallels Toolsをインストールします。

parallels_tools1.png

Parallels>処理>Parallels Toolsのインストール,,,

parallels_tools2.png

「Parallels Tools」イメージがマウントされるので、「インストール」をダブルクリック。

parallels_tools3.png

インストール後再起動し、ディスプレイ解像度が変更出来たり、Shared Folderが使用出来たりします。

まとめ

Parallelsに古いmacOS(High Sierra, Mojave、Catalina)をインストールする方法を紹介しました。


Written by questions6768 who lives in Uji, Kyoto.